ユニセフ地域事務所代表「ガザ地区深刻化する人道危機」を報告(2024年6月19日)
ユニセフ地域事務所代表「ガザ地区深刻化する人道危機」を報告
~子ども3千人が栄養不良で命の危険に~
ガザ地区南部では、恐ろしい暴力と悲惨な避難生活が続く中、人々が保健医療施設やサービスを利用することが困難になっていることから、中度・重度の急性栄養不良の子ども約3,000人が治療を受けられず、命の危険にさらされています。
©UNICEF/UNI577081/Media Clinic
家族のためにパンを運ぶ13歳のユセフさん。(ガザ地区、2024年5月14日撮影)
ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルが報告
ユニセフ・中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルは、「ガザでは、食料や栄養補給物資の不足、保健医療サービスの崩壊状態が続き、家族の目の前で死んでいく子どもたちの恐ろしい映像が次々に伝えられています。3,000人の子どもに対する栄養治療が速やかに再開されなければ、彼らは、重篤な病気になり、命を脅かす合併症を発症し、この無意味で人為的なはく奪の犠牲となった男の子と女の子のリストに加わるという、喫緊かつ深刻なリスクに直面するのです」と述べています。
●治療のための安定化センター2カ所のみ機能
栄養不良の症例増加のリスクは、栄養治療サービスの崩壊と同時に生じています。現在、深刻な栄養不良の子どもたちを治療するガザ地区の3カ所の安定化センター(stabilisation centres)のうち、機能しているのは2カ所だけです。一方、新たなセンターの開設計画は、ガザ地区全域で進行中の軍事作戦の影響で遅れています。急性栄養不良の子どもたちの治療には、通常は連続で6~8週間を要し、特別な治療食や安全な水、医療面での支援が必要です。
安全な水が手に入らず、汚水があふれ、インフラが損傷し、衛生用品が欠乏していることにより、栄養不良の子どもたちの間で、病気や健康上のリスクが高まっています。ガザ地区の水の生産量は、昨年10月に戦闘行為が激化する前の4分の1以下になっています。
©UNICEF/UNI589235/El Baba
(ガザ地区、2024年5月28日撮影)
●より良い活動ができる現場の状況を必要
「栄養不良、脱水症状、疾病といった予防可能なものが重なって命を落とす子どもが増えている、と私たちが鳴らした警鐘に応えて、子どもたちの命を救うための行動が即座に取られるべきでした。病院が破壊され、治療が中止され、物資がほとんどない今、私たちはさらなる子どもの苦しみと死を覚悟しなければなりません」。ユニセフは2023年10月以来、すぐに食べられる栄養治療食、すぐに飲むことができる乳児用液体ミルク、低栄養予防の高エネルギービスケット、鉄分やその他の必須栄養素を含む妊婦用微量栄養素補助食品などを用いた、栄養不良の予防および治療サービスを、何万人もの女性と子どもに提供してきました。「ユニセフは、ガザ地区への人道アクセスが許されれば、さらに多くの栄養補給物資を届けられるよう準備しています。国連諸機関は、活動が妨げられることなく、子どもたちと家族への支援を安全に実施できることへの保証を求めています。私たちは、より安全で制限が少なく、より良い活動ができる現場の状況を必要としています。しかし、最終的に子どもたちに最も必要なことは、停戦なのです」(ホドル代表)
●ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い
(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受付しています。最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
ガザ人道危機 緊急募金
全国の郵便局(ゆうちょ銀行)窓口からのお振込みも可能です。
振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ガザ」と『K1-030 岩手県ユニセフ協会』と明記ください。
*窓口でのお振込は、送金手数料が免除されます。
(※写真・情報の出典は、公財:日本ユニセフ協会HPより)
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<お問合せ先>
(公財)日本ユニセフ協会:0120-88-1052(平日 10時~17時)
岩手県ユニセフ協会 電話:019-687-4460(月~木 10時~15時)
(公財:日本ユニセフ協会協定地域組織)