アグネス大使が陸前高田市・大船渡市・宮古市を慰問(2011年5月11日)
アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使が陸前高田市・大船渡市・宮古市を慰問
~「ちっちゃな図書館」から本や紙芝居を届けました~
4月12日から15日にかけて宮城県沿岸部の被災地を訪問したアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使は4月29日から5月2日までの4日間、岩手県下の陸前高田市周辺、宮古市周辺、釜石市、大槌町周辺、大船渡市などの災地を訪問しました。
4月30日に陸前高田市周下矢作町の下矢作保育園を訪れました。同保育園は、津波で建物が半壊した同市内の竹駒保育園の子どもたちを受け入れたため、以前の4倍以上の45人の大所帯となり、園長室を保育室にして対応していました。20名ほどの園児たちの歓迎を受けたアグネス・チャンさんは、この日、保育園から追加で要望のあった『ちっちゃな図書館』の絵本や紙芝居約250冊を一緒に持参し、谷川俊太郎氏作の絵本『もこもこもこ』の読み聞かせや、電車ごっこ、歌、踊りなど、1時間あまりにわたって、子どもたちや先生方と交流を深めました。また、同行した日本ユニセフ協会緊急支援本部の岩手チーフコーディネーターの安田医師が「今、子どもたちの栄養支援を準備しています。栄養バランスを考えたおやつや、必要なら給食の支援もできると思います。」と話すと、熊谷先生は、「いろいろ用意していただいて、ユニセフさんには、本当にお世話になっています。」「給食やおやつも出せないので、今は3時間保育しかできていません。」など現状を訴えました。
▲下矢作保育園で園児と遊ぶアグネス大使
▲©日本ユニセフ協会
●「おおふなとさいがいFM」に出演し応援メッセージ
▲©日本ユニセフ協会
大船渡市長を表敬したアグネス大使と安田チーフコーディネーター。
アグネス大使と安田チーフコーディネーターは、続いて、大船渡市を訪れ、200人の方々が未だに避難生活を送られている大船渡地区公民館を訪問した後、市役所内に設置された「おおふなとさいがいFM」に出演し、陸前高田市と大船渡市の方々に、応援のメッセージとともに、日本ユニセフ協会の取り組みなどを紹介しました。その後、戸田公明大船渡市長を表敬訪問しました。安田チーフコーディネーターは「県の復興会議では、『子ども』というキーワードが一回も出てこなかった。」「是非、子どもたちに優しい街づくりを目指してください」と、アグネス大使も、「仮設住宅のどこかに、子どもや女性、高齢者の方々が安心できる場所を、是非つくってください。そのためにできることがあれば、何でもユニセフに相談してください。」と話しました。
●園児90人は全員無事。園舎は全滅。
▲©日本ユニセフ協会
みやこさいがいFMスタジオにて。
5月1日、アグネス大使は、高さ5メートルを越える分厚い防波堤もろとも、その原型を全くとどめないほど壊滅的な被害をうけた山田町船越を訪問し、「わかき保育園」の開園式に出席しました。この「わかき保育園」は、他の多くの保育園や幼稚園と同様、日頃の備えと先生方の機転で、90名の園児は全員無事でしたが、園舎は、門だけを残し倒壊し、再開は絶望的とも思われましたが、あの日、先生方が園児を守るために必死なって駆け上がった山の上に建つ瑞然寺というお寺が、境内に建つ旅館の大広間を仮設の保育室として開設し、この日開園式を迎えたとのことです。
そこを後にした、アグネス大使は、続いて宮古市内の「みやこさいがいFM」に出演し、被災者の方々にメッセージを届けました。ボランティアで番組のパーソナリティーをされている藤原美似子さんは、この震災で11人の親戚を失われたとのこと。アグネス大使へのインタビューの最中、時折涙で声をつまらせながら、「子どもたちをみんなで守ってあげることが大切です」と呼び掛け、アグネス大使も「津波は大きかったけど人の心はもっと大きい。」「東北のみなさんは、本当に強くて、私が逆に慰められています。」「パーソナリティーのみなさんの声が、被災者の方々の慰めになっているので、是非頑張ってください。」と話しました。アグネス大使は、この後、こちらも街が壊滅的な被害を受けた宮古市田老の被災者約700名が避難生活をおくられている「グリーンプラザ三陸みやこ」を訪問し、2時間ほど、被災者の方々に声をかけ、サインを求められるとお一人お一人に、笑顔で丁寧に応えられました。