『ユニセフ講座「子どもの権利条約」を学ぶ』報告(2010年5月27日)
▲森田先生の講演の様子
『ユニセフ講座「子どもの権利条約」を学ぶ』を開催しました
~5月14日 25人が楽しく学習~
日本ユニセフ協会岩手県支部(本部:岩手郡滝沢村、村田源一朗会長)は、2009年が「子どもの権利条約」が採択から20年目であったことから、2010年5月14日(金)、「子どもの権利条約」をテーマとする「ユニセフ講座」を開催しました。講座では、「子どもの権利条約をめぐる世界の動き」をテーマに、宮城県尚絅学院大学の森田明彦教授にお話しいただき、アートセラピー手法を用いたワークショップなどで、カンボジアの事例を学びました。参加者は25人でした。今回の講座は、短時間でしたが、中身の濃い講座に参加者は大いに学びました。「子どもの権利」については、これからも学習が必要となるでしょう。みなさんもユニセフでご一緒に学びませんか。
●アートセラピーを応用した体験学習は大変好評でした
参加者は5~6名のグループに分かれ、始めに「現在の気持ち」を左手で色ペンを使い紙に書いてみました。次に、お隣どおしでその絵を見て、「ドキドキした気持ち」や「これから何が始まるの?」など感想を話しあいました。様々な絵が出来上がりました。
次のステップは、グループ毎に子どもの頃、「一番楽しかったこと」と「一番悲しかったこと」をそれぞれ発表しあいました。「楽しかった思い出」は、「誰かとつながった時」、「誰かに認められた時で自己肯定感・尊重される価値があると感じた時」だということでした。反面「悲しかった思い出」は「自分だけが切り離された時」とのことです。「権利とは感情だ」という森田先生の専門は「アートを活用した参加型人権教育(※)」です。アートセラピストのもとカンボジアの女性のアートワーク事例を2例ほど紹介されました。参加者は、「人権とは何か」について考えさせられました。
※講師プロフィール:元(財)日本ユニセフ協会広報室長。人身売買禁止ネットワーク(Japan Network Against Trafficking in Persons: JNATIP)運営委員。「表現アートセラピーを応用したリサーチ手法(Expressive arts applied research method)」を用いたワークショップで著名。
〔 参考資料:「子どもの権利」に関する岩手県内の動き 〕
- □ 遠野市:わらすっこプラン(遠野市わらすっこ条例)
- □ 奥州市:「子どもの権利条約(仮称)」2010年度内制定を目指す
- □ 岩手県議会:今年2月定例会で小西和子議員が「子どもの権利条約」制定を提案
●日本の生協の創始者:賀川豊彦さんが1924年に「子どもの6つの権利」を主張
1924年9月国際連盟で子どもの権利宣言を採択する3ケ月前、賀川豊彦さんによって、6つの子どもの権利が発表されていたとは驚きです。賀川さんがこの時に主張した権利とは、「(1)食う、(2)遊ぶ、(3)寝る、(4)叱られる、(5)親に夫婦喧嘩を止めてもらう、(6)禁酒を要求する」の6つの権利です。参加者たちから、(5)と(6)の権利について疑問も出ましたが・・・。当時の世情では、子ども前での夫婦喧嘩や飲酒による子どもへの暴力などが問題なっていたことがあったようです。
しかし、「子どもの権利」の一つである“自由に意見を言ったりする「参加する権利」について”、は、現在でも、あまり意識されておらず、関心も薄いのが現状のようです。
▲各グループに分かれてのワークショップの様子
<問い合わせ先>
日本ユニセフ協会岩手県支部 事務局 電話:019-687-4460