岩手県立大学社会福祉学部で「ユニセフ出前講座」
岩手県立大学社会福祉学部「社会福祉国際比較論」でユニセフ出前講座
~子どもとジェンダー問題をテーマ。日本とユニセフの協力60年史も~
岩手県立大学社会福祉学部(所在地:岩手郡滝沢村、佐藤 嘉夫学部長)の福祉経営学科の「社会福祉国際比較論講座」の2009年11月16日の授業は「困難な状況にある子ども・ジェンダーの問題」をテーマに取り上げました。この授業に、日本ユニセフ協会岩手県支部(手郡滝沢村)のボンティア3名が参加し、「日本とユニセフの協力の60年」や「子どもとジェンダー問題」、「日本とユニセフのパートナーシップの現状」、「国別の5歳未満児の死亡率」「途上国における女の子の仕事」などを説明しました。学生たちからは「ユニセフの具体的な活動を知り、自分が何をすべきなのかを色々考えるいい機会になりました」などの感想が寄せられました。
授業に先立って学生たちは、「地球のステージ ありがとうの物語」の映画を鑑賞し、紛争や貧困下のもとでの世界の子どもたちについて学んでいました。
☆2009年1月26日に実施した「ユニセフ出前講座」報告はこちら
●戦後15年間に日本はユニセフから65億円の援助を受けました
「日本とユニセフの協力60年」の中で、日本は1949年、ユニセフから、脱脂粉乳、原綿など困難な状況の日本の子どもたちに配られました。ミルクは学校給食や妊娠中の若い母親に、障害のある子どもたちにはリハビリ用機材、また1959年の伊勢湾台風や冷害時には毛布なども配られました。ユニセフからのこうした援助を受けたわが国は、そのお礼としてユニセフの募金を始め、1955年(財)日本ユニセフ協会が設立され、学校募金が全国へ広がりました。そして日本が経済的に自立した(戦後は終わったと言われた)1964年東京オリンピックの年にユニセフからの援助は終了。この15年間に約65億円相当の援助を受けました。現在、日本は、世界に恩返しをしようと援助国としての日本の役割を推進しています。
●日本は現在、ユニセフ支援国として世界のトップクラスの募金と活動を展開
最近のユニセフの活動の一環としてユニセフ親善大使として黒柳徹子さんが「静かに亡くなっていく子どもたち、一人でも多くの子どもたちの助けになりたい」と1984年から大使を務め途上国を訪れていること、日本ユニセフ協会大使としてアグネス・チャンさんが、1998年から毎年現地視察をし、ユニセフへの支援を呼びかけるなど活躍していることなどを報告しました。また、日本の民間の募金額は2008年度146億円を超え世界のトップクラスとなっています。
募金活動だけでなく気候変動、感染症、貧困、紛争などの増大する課題に対しても、わが国はミレニアム開発目標(2015年)をかかげ「子どもにやさしい世界」をめざし、日本とユニセフのパートナーシップを発揮しています。今年は、その60周年の節目を迎えました。
▲ユニセフ親善大使黒柳徹子さん
▲ユニセフ現地事務所の職員
▲5歳未満児の死亡率を国別にみる学生たち
▲女の子の仕事として水くみの説明をするボランティアスタッフ
●受講者たちのレポートからの抜粋
- 日本とユニセフの関係が非常に密接であり、今の日本があるのはユニセフからの粉ミルクのおかげなのかもしれないと思うとユニセフの活動を改めて知るべきだと感じました。
- 5歳未満でなくなる子どもたちが1984年には1500万人いたのが、現在880万人と、まだまだ多いことは事実ですが大幅に減っており、ユニセフ活動の成果だと思いました。
- 話に聞くのと見るのは全然違うだろうと思う。いつか今回聞いた国々を実際に見に行きたい。
- 日本は支援募金をたくさん拠出しているということだが、お金を出すだけで何もしないという話を聞いたことがあります。このことは他の国と比べてどうでしょうか。
- ユニセフの具体的な活動を知ることができました。自分が何をすべきなのかを色々考えるいい機会になりました。
問い合わせ先
日本ユニセフ協会岩手県支部 事務局 電話:019-687-4460